私の所属するスタディーグループWDSCで、この分野の権威の先生をお呼びして講習をうけました。
その内容の要約です。
口腔乾燥症とは
口の中の、唾液の分泌量の低下や、唾液が充分にあっても口呼吸や機能低下により、部分的に粘膜が乾燥する事により生じます。症状としては、一般的な口が乾く事に加えて、義歯が合いにくかったり、唾液ばネバネバしたり、食物の摂取、嚥下が困難になったりします。65歳以上の場合は、おおよそ半数程度が口腔乾燥を自覚しているとされています。
原因
- お薬
- 体質 習慣
- シェグレーン症候群に伴うもの
何と、お薬が8割!!残りの2割弱が体質等、数パーセントがシェグレーン症候群に伴うものとされています。
どの様な薬が影響するの?
- 抗コリン剤・・・代表的なのは、胃潰瘍等の薬に含まれます。
- 抗ヒスタミン剤・・・アレルギーの治療に用いられます。花粉症でも処方されます。
- 利尿剤・・・尿を出す薬です。
- 筋弛緩剤・・・筋肉の緊張を緩和する薬です。肩こりの場合にも処方されます。
- 睡眠薬
- 精神安定剤
年齢とはあまり関係ないそうです。
重症度
口の中を見たときに、 舌の上から下、口蓋にまで唾液が見られるのが、正常です。
舌の下まで唾液がみられないと重症です。
どうやって治すの?
- 原因薬が有る場合は、主治医と相談して中止するか、休薬するか、減量するかを検討する。
- 口呼吸への対応。耳鼻科との相談 口腔周辺の筋肉の強化(パタカラもOK)。
- 生活習慣への対応。嗜好品(酒、タバコ)を減量する。規則正しい生活にする。
- 薬剤による治療。漢方薬やサリグレン、エボザックによる治療。
- 保湿成分を補充。絹水やオーラルウェット(両方ともに商品名)による保湿。
使うお薬
- 西洋薬 塩酸セベメリンで商品名はサリグレンとエボザック。結構強力なので、副作用が起きないように監視する必要がある。胃液の分泌も多くなり、汗もかきやすくなる。保険適応はシェグレーン症候群のみです。
- 漢方薬 西洋薬の使用基準とは全く異なり、「証」を判断してから処方する。すべて保険適応外です。
白虎加人参湯 | (34番) | 薬剤性の場合の第一選択。 |
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五苓散 | (17番) | |
十全大補湯 | (48番) | 甘草を含むので副作用に注意。 |
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