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感染予防
滅菌の考え方
歯の治療を受けた後にうがいをすると、血が混ざっているのを感じた方も多いと思います。歯科治療は結構、出血が伴うのです。
最も警戒しなければならないのが、B型肝炎ウィルスのE抗原プラスの場合の人の血液による感染です。 これが、今のところ、最も注意しなければならない感染症であり、これを感染させないように、衛生面に配慮していれば、他の細菌やウィルスが他の人に移る事はありません。つまりB型肝炎対策さえしっかりやっておけば他の感染症の心配は無いと言えます。
このB型肝炎ウィルスのやっかいなところは、通常の煮沸消毒(100度)位では、死滅しません。通常の気圧下においては、160度位、2気圧ですと、135度でしたら5分間で死滅してしまいます。(最近の厚生労働省からの文章を見ると、そこまでしなくても死滅すると書いてありました。)
血液に直接触れたりした器具に対しては、上記の方法で全ての微生物を死滅させてしまう方法で管理しなければなりません。この一連の操作を滅菌と言います。
そして、基本的には感染の有無にかかわらず普遍的な感染予防策としてのスタンダードプリコーションと言う概念を採用しています。
当院の衛生管理 滅菌・消毒
予備洗浄:ジェットウォッシャー
医療用の器具の場合、細菌だけではなく、タンパク質の除去も必要になります。その代表例が血液です。これは滅菌の質を高める上でも必要です。通常は、洗剤を使って、スタッフがスポンジで手洗いをしている場合が多いですが、人間が洗っただけでは、完全なる洗浄は無理です。そして、スタッフが怪我をしてしまう恐れも有ります。
当院では、ドイツ:ミレー社製の大型自動器具洗浄器であるジェットウォッシャーを導入しています。
ステージ1:タンパク質の除去 55度の低温水で洗浄します。
ステージ2:高圧洗浄 毎分500リットルの水で高圧洗浄。
ステージ3:ハイパワー熱水消毒 93度の熱水で5分間洗います。
これだけでも、ほぼ滅菌状態ですが、更に真空状態で滅菌するクラスB滅菌器で滅菌処理を行います。この自動洗浄器を導入している歯科医院は少ないです。
高圧蒸気滅菌
オートクレーブと言う滅菌装置です。当院には、ヨーロッパ規格クラスBプレポストバキューム式の滅菌器「LISA」が2台設置されております。滅菌前に真空と蒸気の注入を交互に繰り返すことで、タービンなどのハンドピース内部の中腔パイプ内の残留空気を抜き、蒸気を細部まで行き渡らせ完全な滅菌を行います。診療用の機器から、小器具までを滅菌しております。
真空ポンプが内蔵されているので、真空状態で滅菌を行います。LISA 1号機(オーストリア製)
LISA 2号機(オーストリア製)
器具用高圧蒸気滅菌
ステリマスター滅菌器
ハンドピース用の滅菌器。6分間で滅菌が終了します。
インプラント手術の時など滅菌された器具が必要な場合にでも迅速に対応できる優れもの。患者さんに使用する毎に滅菌を行ないます。
カボクレーブ
ステリマスターが使えない場合用の予備器。
ハンドピースを30分で滅菌します。
個別パック
使い捨てに出来る物は、殆ど使い捨てです。
それ以外は、個別滅菌パック入りです。
新型コロナウイルス問題により、これらのディスポーサブル用品が手に入りにくくなっていますが、当院ではかなりのストックを持っています。
逆止弁付のエアータービンを使用
又、当院で使用しているハンドピース(左の写真)は、全て滅菌した物を使用しています。それ以外にも、全てのハンドピースには逆流防止機構が付いている物を採用していますので、歯科用ユニット内が汚染されている事はありません。
30本以上のタービンヘッドを用意し滅菌
20本以上のコントラを用意し滅菌
水道水自体を浄化
歯科医院に供給された水にフィルターを入れて浄化しています。
とても綺麗な水が歯科用ユニットに供給されるようになっています。
口腔外バキューム デンパックス
歯科治療中に、顔に水しぶきが飛散するのを防ぎます。
当院では、全ての治療椅子に装備されています。
2018/05に新しいモデルに変更いたしました。