歯科領域で使われているレーザーについて

歯を削るために使用され始めている、エルビウムーヤグレーザーは水分に反応して組織を破壊?する為に水分の少ない歯は削るのが難しいとされています。特にエナメル質は水分が少ない為に、かなりのパワーが無いと削れないそうです。
エルビウムーヤグレーザーは、熱の発生が少ないので余り痛くないそうですが、完全に無痛では無く、少しの熱さや、衝撃を感じるそうです。
エルビウムーヤグレーザー発生装置は、国内ではおよそ、800万円もするのに、すぐ新しいレーザ装置が開発されるために、陳腐化してしまうのも早いのでせいぜい使えて5年です。現在の治療法と比較して、今のところ、それほどのメリットは無いと考えられます。

しかしこれから、改良研究が、進んでくれば、21世紀には主流になる可能性はあります。(追補 21世紀になりましが、主流にはなっていません。)

ここでは特に、今話題のエルビウムーヤグレーザーについて、書きましたが、レーザーには、歯科領域で使われている物でも、毒にも薬にもならない様な、ヘリウム,ネオンレーザー(口内炎の治療等に当てるレーザーですが、はっきり言って効いているのか、いないのかよく解らない。)から上記のような、メスの様に切れるレーザー迄色々有るので、レーザーと十派ひとからげには語れないことをお断りしておきます。

追記(99/1/4)
最近発売された、アルゴンレーザーは歯の漂白には結構良い様です。
なぜなら光重合器の様に熱を発生しないで短時間で処置出来る様だからです。でも、、、殆ど漂白専用で500万円は考え物です。
このアルゴンレーザーならレジン(プラスチック)を3秒で固める事が出来るそうですが、瞬間的な重合反応はかなり内部と周囲に歪みをもたらすと考えられますから、多分後でレジンが脱落したり、周囲から虫歯になったりすると思われますから、使わない方が無難と考えられます。と言うわけで今のところ導入は見送りです。

追記(2008/02/12)
現在では、このアルゴンレーザーは漂白には殆ど使われなくなったそうです。
水の分子を破壊して歯を削るウォーターレーザーは簡単な歯の治療には使えそうです。 型を採って技工所で被せ物を作ってくる様な治療には使えません。

(追記 2008/02/02)
最近レーザーにとても詳しい先生の話を聞く機会がありました。歯を削る事に関しては、このレーザーの項目を始めて書いた10年前とさほど変わらないそうです。つまりほとんどのエルビウムヤグレーザーでは歯は削れないそうです。削れても意外と痛くて時間がかかるそうです。

(追記 2018/07/02)
とうとう、エルビウムヤグレーザーを導入する事になりました。歯周病の治療やインプラント周囲炎の治療に使います。

(追記 2020/10/16)
2年間、エルビウムヤグレーザーを使ってまいりました。微小な虫歯なら、あのキーンとするエアータービンで歯を削るより細かく削れるので、微小な虫歯ならとても良いです。特に前歯の切端の変色や虫歯には最適です。
又、歯周病における歯石除去や、不良肉芽の除去にはとても有効です。
よって、無くてはならない装置となりました。敬友会では3診療所に設置をいたしました。

最近のレーザーの住み分け

  1. 軟組織  → 炭酸ガスレーザー
  2. 歯を削る → エルビウムヤグレーザー(エナメル質が白くなる事がある)
  3. 根の治療 → ネオジウムヤグレーザー
  4. 歯周病  → 半導体レーザー

どの機械も300万円~1500万円します!!
しかし、現在の保険制度では、保険治療に使う場合は、薬事法の認可が取れている必要があります。ところが、エルビウムヤグレーザーに関しては、許認可がとれている機器で実用的に歯を削る事ができる装置は無いそうです。
又、許認可がとれていても機械の使用料を別に患者さんから頂く事は違法になってしまいます。(←混合診療の禁止にあたるそうです。)
許認可が取れていない機器でも使用する事自体は違法では無いそうですが、何か健康被害を起こした場合、一切の責任は使用した歯科医師にあるそうです。

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